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月イチ歌舞伎見てきました 第二回 

昨日は、名古屋のミッドランドスクエアビルにある(名古屋が誇るトヨタのリッチなビル)映画館で、月一歌舞伎を見ました。今回は、片岡仁左衛門が親子三代で演じる女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)が演目です。

きらびやかな衣装が出てくるのでもなく、踊りもなく、江戸時代の人情劇なのでセットも地味で、何がいいかというと、役者の演技力です。
今まで歌舞伎というと、時代物、で武士の敵討ちとか文語調でわかりにくいので眠たくなるということが多く。。
今回歌舞伎というのは今の舞台演劇のルーツであるというのがわかりました。

親不孝のダメ息子と、それを思う年老いた両親という現代にも共通する人情と、浪費して武士から身を持ち崩し失敗して強盗にまで手を染めてしまう、人間の弱さ、落ちていく様子そういうところが見所でした。

あと、最後まで惹きつけられたのは、仁左衛門、若い頃は片岡孝夫として二枚目で人気があった役者さんです。

化粧ばえする男っぷりは、年齢を重ねても、表情豊かで、いいんですよ、これが。

最後のクライマックスの、追い詰められてお金を奪おうと逡巡(しゅんじゅん)する様子がみごとに演じられていました。
そして映画ならではの、ここぞというみどころで役者の表情がアップになるので、ポイントがわかりやすかったです。

あと母親役の女形の役者もどうみても、男性が演じているふうに見えない上品な商人の奥さんになってて、
奥が深いなあと思いました。

行く前に予習していくべきでした。帰って役者が誰か見たら片岡秀太郎。この人、仁左衛門のお兄さんで、
高田美和と結婚していた人で、子供の頃テレビでお名前は見ました。役者としてもドラマにでられてました。
今は、片岡愛之助の師匠として有名ですね。いや、上品な綺麗な自然な女形でした。

ミッドランドシネマは、席が広くて皮で前に荷物のかけるフックもあり、居心地よくつい眠りそうになりました。
しかし、主人公の継父徳兵衛役の中村歌六の演技が、また、苦悩するやさしい父親を演じていてよくって目が覚めました。

歌舞伎座サヨナラ公演の演目で2009年6月上演された作品です。

いい席の映画館でこういう映画をやるのは、なかなかいいとおもいます。

歌舞伎を手頃にしかも、ゆっくり見られるという、日本ならではの文化の継承にも、こういう鑑賞法は、いいとおもいました。

まあ、こういうのいいなと思うようになったのは、いろんな経験をしてきて、歳を重ねたからからでしょうね。

若い人には生の演劇じゃないと刺激が足りないでしょうね。

by ekiseicherries | 2014-07-04 08:27 | 芸能


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